吹奏楽とクラシック音楽の紹介
時にはこんな吹奏楽
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東京佼成ウインドオーケストラ第99回定期演奏会
2008-12-12-Fri  CATEGORY: 吹奏楽:演奏会
東京佼成WO第99回定演
東京佼成ウインドオーケストラ第99回定期演奏会
2008年12月12日(金) すみだトリフォニーホール
指揮:ダグラス・ボストック
 〜 プログラム 〜
組曲第二番 ヘ長調 作品28-2/G.ホルスト
落葉/W.ベンソン
フランス組曲/D.ミヨー
主題と変奏 作品43a/A.シェーンベルク
天使ミカエルの嘆き/藤田玄播
リンカーンシャーの花束/P.A.グレインジャー

 
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試聴部分の変更(2)
2008-11-20-Thu  CATEGORY: 雑文
試聴部分の変更作業は「フェスティヴァル・ヴァリエーションズ」まで終了しました。
主な変更点は
・動画形式
・ノーカット
・ステレオ
※音質は落としてありますので高域に聴きづらい部分があります。
※パソコンで聴きやすいように音量の幅を狭めてありますが弱音が聴き取りづらい部分があります。
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試聴部分の変更
2008-10-30-Thu  CATEGORY: 雑文
試聴部分について変更を順次行っていきます。
とりあえずホルストの第1組曲を変更しました。
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東京佼成ウインドオーケストラ 第98回定期演奏会
2008-10-11-Sat  CATEGORY: 吹奏楽:演奏会
東京佼成ウインドオーケストラ第98回定期演奏会
東京佼成ウインドオーケストラ 第98回定期演奏会
2008年10月10日(金) 紀尾井ホール
指揮:渡邊一正
ハープ:竹松 舞(客演)
トランペット:安藤真美子
クラリネット:大浦綾子
フルート:前田綾子
プログラム:
「ブリタニキス」より “ナルシス”のファンファーレ/A.ジョリヴェ
陽気なパリ/J.フランセ
序奏とアレグロ/M.ラヴェル(木村政巳)
交響曲第一番 ハ長調 作品21/L.V.ベートーヴェン(W.フッチェンルイター)
交響曲第一番 ハ長調/A.ゴーブ

 東京佼成ウインドオーケストラの2008-2009シーズン開幕にあたる、通常の吹奏楽編成ではなく小編成による管楽合奏曲を取り上げる紀尾井ホールで行われる恒例の演奏会。フェネルが常任指揮者だったころカザルスホールで開催されていた“佼成ウインド・ソロイスツ”を定期演奏会シリーズに組み込んだ形だ。前半はフランス人作曲家の作品、後半はベートーヴェンの交響曲第一番の管楽合奏版とそれを元の作曲されたゴーブの交響曲第一番を並べるというプログラム。実演に接することが難しい曲が多く、私も聴いたことがあるのはラヴェルの『序奏とアレグロ』とベートーヴェンの『交響曲第一番』だけだった。
 1曲目はアンドレ・ジョリヴェの『「ブリタニキス」より“ナルシス”のファンファーレ』。ラシーヌの戯曲につけた全6曲からなる劇付随音楽の中の1曲。トランペット、トロンボーン、ホルン、チューバという金管郡にティンパニー、スネアにゴングという打楽器が加わる編成。下から突き上げるような音形が印象的でとにかくカッコいい前後半部に挟まれた不穏な中間部のコントラストがいい。
 2曲目はジャン・フランセの『陽気なパリ』で 1.行進曲 2.ワルツ 3.ギャロップ の三曲からなる。独奏トランペットに木管楽器郡、ホルンという編成で洒脱な曲を軽快に聴かせた。
 3曲目はモーリス・ラヴェルの『序奏とアレグロ』。オリジナルの独奏ハープにフルート、クラリネット、弦楽四重奏という編成を伴奏も含めた独奏パートはそのままに、弦楽四重奏部分をホルン、サクソフォンを含んだ管楽合奏に編曲したもの。管楽合奏は音量が大きくなりやすいのでハープのような音量の出ない楽器の伴奏には向かないと思ったが、編曲の力か繊細な表現で楽器種が多いことを生かした色彩感が見事。
 休憩を挟んで後半はベートーヴェンの『交響曲第一番 ハ長調』の管楽合奏版から。『交響曲第7番』のような作曲者自身の編曲ではなく1796年生まれのオランダの作曲家ウーター・フッチェンルイターが編曲した版。ハルモニームジークにトランペット、ティンパニーが入ったような編成で『第五』や『第九』に通ずるベートーヴェンらしさが感じられる。
 最後は『アウェイデイ』などの吹奏楽曲でも知られるアダム・ゴーブの『交響曲第一番 ハ長調』で、ベートーヴェンの交響曲第一番を素材として用いて調性やテンポ設定まで同じにしながら別の曲を創り上げた。編成はハルモニームジークのようでサクソフォンやホルン以外の金管楽器、打楽器を含まない。よく聴かなければベートヴェンが素材であることは気づかないが、終楽章のブラームスの一番の引用はかなりストレート。知人の誕生パーティ用に書かれたというだけあって肩の力の抜けた、しかし音楽的には面白い曲だった。
 どの曲も面白く選曲も意欲的で演奏も素晴らしかったのだが空席が目立った。この室内楽シリーズはフル編成の演奏会より空席が多く感じるのだが、吹奏楽関係者には馴染みの薄い曲が多いからかもしれない。フェネルの提唱したウインド・アンサンブルの考え方を最も実践している演奏会だと思うだけに少し残念な気がした。

参考音源
・“ナルシス”のファンファーレ
フィリップ・フェロー 指揮 パリ警視庁音楽隊

HMV→ジョリヴェ:管弦楽作品集icon
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天使ミカエルの嘆き/藤田玄播
2008-09-23-Tue  CATEGORY: 吹奏楽:楽曲紹介
藤田玄播
吹奏楽のための「天使ミカエルの嘆き」(1978)
Lamentation of Archangel Michael for Symphonic Band
作曲:藤田玄播
Genba Fujita
演奏時間:約10分
楽譜:音楽之友社
 藤田玄播は1937年東京に生まれ、国立音楽大学器楽科を1962年に卒業、フルートを吉田雅夫、作曲を服部正に師事。国立音楽大学ブラスオルケスターの編曲を在学中から2002年まで40年以上にわたって担当。卒業後はフリーの作曲家として活動し、作曲のみならず編曲、指導、指揮も行う。特に編曲はクラシックからジャズ、童謡に歌謡曲まで多岐にわたり吹奏楽のレパートリー開発に貢献。1971年に『優雅な行進曲』で下谷賞、1976年に『吹奏楽のための「カンツォーネ」』で笹川賞を受賞。尚美音楽短期大学助教授、桐朋学園大学作曲・理論科講師、洗足学園音楽大学客員教授を歴任、2002〜2006年社団法人日本吹奏楽指導者協会(JBA)会長を務めた。吹奏楽以外にも合唱曲、劇音楽やアンサンブル作品がある。また別名での作詞、作曲、編曲活動も行っている。
 主な作品は『劇的序曲「バルナバの生涯」』『組曲「切支丹の時代」』『バンドのためのディヴェルティメント』『行進曲「若人の心」』『合唱曲「地球を花で飾ろう」』などがある。
 この作品はヤマハ吹奏楽団浜松の委嘱によって作曲され1978年4月に完成、同団によって初演、同年の全日本吹奏楽コンクールでも自由曲として演奏され金賞を受賞している。
 聖書では天使は神の啓示をもたらす者、神の軍勢として戦う者という二つの性格が表されている。前者は“受胎告知”の天使ガブリエルに、後者は“ヨハネ黙示録”に巨大な龍と戦う様が描写されている天使ミカエルに代表される。曲の前半は天界での龍とその使いたちと大天使ミカエルとその使いたちとの戦いを描写的に表現し、後半部は自由な発想の物語を描いて幻想曲としてまとめたものである。

 ヴィブラフォンの一音から静かに始まり、ユーフォニアムにより“天使ミカエルの主題”が提示された後、次第に楽器を増やして厳かに高まるこの部分は静かな天界を表現している。木管楽器のトリルが弱音から徐々にクレッシェンドしていき頂点で金管楽器により“天界の戦い”が始まったことが表される。龍の咆哮のようなホルンのグリッサンドを合図に低音楽器のリズムとトランペットの動きなど複雑に絡み合った各パートが戦いの騒乱を描く。高らかにファンファーレが奏されミカエルの軍勢の勝利が告げられると半音階の中を木管郡による”天使ミカエルの主題”が力強く現れ、龍とその使いたちが投げ落とされた描写で小休止する。
 不安げなフルートの導くオーボエの憂いを帯びた長いソロの後、テンポを上げて動的になりトランペットの短いソロを経て頂点を迎えロマンティックな旋律が雄大に奏される。一旦落ち着くがオーボエのソロから楽器を増やして再び高まりを見せた後、消えるように静寂に向かう。
 クラリネットによって“天使ミカエルの主題”が静かにに現れホルンのソロ、オーボエのソロが祈るように奏される。木管楽器による息の長い旋律にからみ、一度はミュートで遠くからのように、二度目は高らかに金管郡によるファンファーレが演奏される。再び木管の旋律となるがすぐに複合和音の響きに支配され、その中を“天使ミカエルの主題”をトロンボーンとチャイムが荘厳に奏し、その響きのまま曲を終わる。
 それまでも国立音楽大学ブラスオルケスターへの編曲や作曲家グループ「ニューエイトの会」などでの活動は知られてはいたが、作曲者の知名度を一躍高めた作品である。1978年5月に初演された曲が同年12月には東京佼成ウインドオーケストラによって録音されており、音楽之友社から楽譜が出版されたのが1983年なのだが、それ以前から数々の団体に取り上げられていていたことからも如何に人気があったかがわかる。また、ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の来日公演プログラムに取り上げられたり、指揮者のダグラス・ボストックが気に入り指揮者講習の課題に用い、佼成ウインドの定演の演奏曲目に推薦するなど日本を代表する吹奏楽曲といって過言ではないだろう。
 作曲にあたっては、私たちの周りには蔓延している様々な「悪」、すなわち戦争や飢餓、公害や環境破壊といった社会的な悪、妬みや傲慢といった人間の心の中に潜む悪が人々の英知や勇気によって駆逐され平和で美しい世界が一日も早く実現されることを願いが込められている。
 描写的で現代的な響きの前半部、幻想的で美しい旋律が次々と表れる後半部の対比が効果的で、全体がF 音によって統一されているものの形式的ではなく、特に後半は接続曲に近い。“天使ミカエルの主題”が設定され4回登場するものの展開や発展をするわけではなく、現代的な響きの部分と旋律的部分に統一感を持たせるために止まっている。ネリベル、フサ、パーシケッティの影響は顕著で、特にフサの『この地球を神と崇める』『プラハ1968年のための音楽』からは曲の発想、構成、サウンドなど強い影響を感じる。またマルティヌーのオラトリオ『ギルガメッシュ』からの影響も見られる。
 藤田玄播作品には『切支丹の時代』『バルナバの生涯』『ゲッセマネの祈り』といったキリスト教や教会音楽に着想を得た作品が多い。また新しい響きを作品に取り入れようとサウンド・クラスターやポリコードを使用しているが、印象的なのは叙情的で心打つ旋律であろう。それら要素が10分余りの曲に凝縮している『天使ミカエルの嘆き』はその意味でも作曲者の代表作と言ってよいだろう。


 本年11月30日に国立音楽大学シンフォニック・ウインドアンサンブル、12月12日に東京佼成ウインドオーケストラによって演奏される予定がある。作曲者と関わりの深い国立音大による演奏と外国人であるボストックの指揮による演奏ということでどちらも興味深い。


演奏紹介

秋山和慶 指揮 東京佼成ウインドオーケストラ
CD「古祀」収録。1978年12月録音なので恐らく商業録音としては最初のもの。演奏はこの曲の魅力を伝えるのに十分だが、録音時かミキシング時にトラブルがあったのか音程がおかしい部分がある。CD化の際に修正されるかと思ったがそのままであった。
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HMVで見る→古祀/秋山和慶ウィンド・シリーズicon

フレデリック・フェネル 指揮 東京佼成ウインドオーケストラ
CD「吹奏楽名曲選・祝典音楽」収録。明晰な演奏で入り組んだ部分もすっきりと聴かせる。後半の旋律の歌い込みがいい。他にも広瀬量平『祝典音楽』、北爪道夫『風の国』、小山清茂『太神楽』、山本直純『白銀の栄光』とフェネルには珍しい邦人作品が入っている。
amazonで見る→吹奏楽名曲選 祝典音楽
HMVで見る→祝典音楽−吹奏楽名曲選icon
セブンアンドワイで見る→吹奏楽名曲選/祝典音楽

汐澤安彦 指揮 東京吹奏楽団
CD全集「私の青春!吹奏楽部」の中の「邦人作品集2」に収録。速めのテンポながら堅実な演奏。
HMVで見る→私の青春吹奏楽部icon
SonyMusicShopで見る→私の青春!吹奏楽部icon

木村吉宏 指揮 広島ウインドオーケストラ
CD「BandClassicsLibrary8 天使ミカエルの嘆き」収録。待望の最新録音盤。
amazonで見る→天使ミカエルの嘆き バンド・クラシックス・ライブラリー8
HMVで見る→Band Classics Library 8-天使ミカエルの嘆きicon

藤田玄播 指揮 東京コンセルヴァトワール尚美ウインドオーケストラ
CD「1994 TMEA TOKYO CONSERVATOIRE SHOBI WIND ORCHESTRA」収録。1994年に行われたテキサス音楽教育者協会のクリニックにおけるライヴ録音で客演指揮者として作曲者が振っている。ゆったりとしたテンポで作曲者の解釈を知ることができる。
Musicstire JPで見る→1994 TMEA TOKYO CONSERVATOIRE SHOBI

原田元吉 指揮 ヤマハ吹奏楽団浜松
LP「日本の吹奏楽・ヤマハ吹奏楽団」収録。初演コンビによるセッション・レコーディング盤。一度CD化されたが現在は絶版のようだ。音楽之友社から出版されたCD付き楽譜セットの演奏と同一と思われる。テンポのメリハリがはっきりしており昔のヤマハ吹奏楽団独特のサウンドが聴ける。

藤田玄播 指揮 尚美ウインドアンサンブル
LP「BRILLIANT SOUND SHOBI Best Collections」収録。自主制作盤のため現在は入手が難しいと思われる。色々なアンサンブルの演奏が入った学校紹介的意味合いのレコード。

※その他コンクールでの演奏はこちら→World Windband web
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